kaichosanの日記

97~07年まで元Zaurusユーザーだった、フリーランスで流浪してる映像編集マンの雑多な日記です

 スクープも“紙一重” 12:36

 熱心な災害報道も結構だけど、身分を偽り被災者に迷惑かけてまで取材したいか? 関西テレビの報道スタッフ3人が、ボランティアを装って立ち入り禁止区域の街へ入ろうとして警察官に止められたそうだ。どういう装備で入ろうとしたのか詳細は不明だけど、きっと記者とカメラマンとVE(音声・照明担当)だろうな。独占取材かスクープを狙ったみたいだけど、裏目に出た。報道局トップの報道局長が現地で謝罪、世間向けにも謝罪会見したから、あと局内的には担当者らの処分だ。もし、報道記者なら次の異動で報道から外されるだろうし、外部スタッフなら最低でも半年間、下手すると未来永劫は出入り禁止だな。


 数年前、大みそか中継でNHK委託会社が国宝に“クギ”を打ち込んで機材を固定した事件があったけど、しばらく出入り禁止処分になって、ご当地局が大変困った経緯があった。あれって、訳の分かってない東京のスタッフがドカドカ押しかけて来て、荒らして帰った事件だったからね。NHKが契約してる照明会社は、ソコしかなかったから全NHK的に“出入り禁止通達”を出すのはいいけどソコに発注しちゃいけないとなると、代わりを手配するのがとても大変だったそうな・・・。


 犯罪取材とか海外のヤバイ系取材って、身分を偽って潜入取材することもあるけど、人に迷惑を掛けるようなことはしちゃぁいけないよ。どうしても立ち入り禁止区域の映像が欲しいなら、現地の被災者と信頼関係を築いて、デジカメを渡して撮ってきてもらえばいいんだから。長期取材で、拉致被害者の浜本富貴恵さんと信頼関係を築いた関西民放某記者が、この方法でカラオケを歌う浜本さんの映像を友人経由で独占入手して、系列の社長賞をもらってたな。もう滅多に画面に出ることはないだろうけど、カラオケ姿の浜本さんは1つの系列しかもっていないはずだ。ま、彼の場合「若さ」っていう武器もあったんけどね(^-^;


 今回の事件との「差」は、どうしても欲しい映像を手に入れるための、取材に対する“知恵”と“応用力”だね・・・より深い取材の為には、これが記者には求められるんだけどね。