階段編成の罠

　どうやら遅い昼飯中に中華飯店で見かけたのは、気のせいじゃなかったようだな。今日の高校サッカー中継で、日テレが編成ヘマをやらかした。中継の裏側を知ってる人間としては擁護してやらないでもないが、ちょっと致命的すぎるな。準備がお粗末すぎる。
　後半ロスタイムは残り20秒程度しかなかったはずで、おそらく現場(中継車)も本社(日テレ中継サブ)も、誰もがこのまま試合が終わると思っただろう。そのラストプレイの星陵コーナーキック。タイミングとしては、蹴った瞬間に主審がホイッスルを吹いて終わってもおかしくなかったけど、ワンプレイだけ猶予を与えたら、市船の守備陣も油断して、それが同点ゴールに結び付いた。次のキックオフと同時に後半終了だもんだから劇的すぎる。
　応援してる方としては最高に盛り上がるんだろうけど、伝える方は超ドタバタだったはずだ。通常、野球中継などは最大延長が事前に設定されていて、キューシートという中継技術台本に、５分刻みで６段階ほどの延長パターンが書かれてる。これに則して、CMの数、入れるタイミング、カメラのカット割り等が指示されるが、きっとそこまで細かく設定してなかったんだろう。しかも、テッペン*1に近かったために、編成との調整がつかなかったとか、そもそも延長中継なんて想定外だったのかもしれない。案の定、16時を越えてCM入りのタイミングで試合が終了し、その結果は伝え切れなかった。そりゃあ、延長枠が５分しかないなら、実質２分ちょいしか放送時間がないんだから無理に決まっとろうが。前CMと後CMを考慮しても、最低10分は要るでしょ。ま、やっちまったもんは仕方がない。同じ過ちを起こさないよう、現場努力と改善策を期待したい。・・・しかし、決勝で起きなくて良かったねぇ。中継責任者が処分される事態に成りかねない。
　それにしても、同局のスポーツニュース「うるぐす」で、PKのキッカーを全員見せてたけど、あれは酷いね。若干、関係各所への政治的なお詫びを込めた“謝罪VTR”としても、普通の“スポーツニュース”としての映像としても最低だった。だいたい編集が適当すぎるし、タメも盛り上がりも喜怒哀楽も何もない。
　不祥事の詳細は９日朝刊に載るだろうけど、あの夜ニュースは、いちサッカーファンとしては許せない対応だったな。

*1:10時00分や15時00分など「毎時00分」の事をテレビ局ではこう呼ぶ。他にも、秒針が12時を指す時を“上”、６時を指す時は“下”などと俗語で呼ぶ