kaichosanの日記

97~07年まで元Zaurusユーザーだった、フリーランスで流浪してる映像編集マンの雑多な日記です

 W杯・日本の対戦相手、チュニジア代表はどうよ?

 地元・紀三井寺競技場がたくさんのサッカーファンで埋まって感激した。たしか収容人数はおよそ2万人。スタンドは、芝生席も含めて満員だった。デンマークvsチュニジア国際Aマッチ。メインスタンド中央のおいしい席でたっぷり観戦(*^-^*) 久々に至福の時間を過ごせた気がする・・・


 16時のキックオフに合わせて、1時間前には席に着けるように自宅を出た。周辺に駐車場はないことが分かっていたので、車は使わず裏道を抜けられる原付で、いざ紀三井寺競技場へ向かう。会場に近づくにつれ、道路は渋滞。警察が出動して整理に当たっていたが、白バイの多さに驚いた。赤色灯をまわした白バイが20台近く国道に並んでいた。


 誘導に従って国道でエンジンを切り、駐輪場まで手押しで進む。思ったより空いていた。スタンドへ向かう前に、各テレビ局の取材体制をチェック。生放送や素材伝送用の中継車を用意していたのは3社。あとは大阪までバイク便で運ぶ体制のようだった。
 ゲートに向かう途中、若い青年に「チケット余ってませんか?」と尋ねられた。新聞ではチケットが売れずに困っていると聞いていたが、当日用意した分も早々に売り切れて満員御礼になったそうだ。マスコミのW杯アオリの力はスゴイ。興味がなくても、高いチケット代を払って観戦に来る人がこんなに多いだなんて、にわかに信じられなかった。


 長居や神戸ではさんざん問題になっていた入場。意外にも混乱はなく、スムーズに・・・と思いきや、ナップザックに入れていたペットボトル数本を紙コップに移し替えるよう言われていた兄ちゃんが「両手で持てへんぐらいになんのに、どうすんねん!」と係員に食ってかかっていた。それは一理あるが、もってくる方が悪い。実は、僕も試しにハンドバックに缶コーヒーを隠して持ち込もうとしたけど見つかってしまった(^-^; でも、ボディチェックの方は非常に甘く、金属探知器などを使用していなかったので、デジカメケースに入れいていた危険物は持ち込めてしまった。う〜ん、やはりこの程度の認識では本番が非常に怖いがする・・・。


 さて、ここからは試合編。※5/28一部修正


 チュニジアの攻撃は8と6を起点に、中央からワンツーで右サイドへ抜けるパターンばかり使っていた。本当に、攻めの7〜8割はこればっかり。で、最後にボールをキープするのは必ず11か5。他の選手は、ゴール前のイイ位置でボールをもっても決してミドルシュートなど打ってこない。コレがかえって不気味。日本でいう、森島や中田ヒデのポジションに重心を低く抑えたシュートの巧い選手がいるとしたら、かなり注意しておかないといけない。
 あと、一番危険だと感じたのは、2列目からの半端じゃなく速い飛び出し。ワンツーからの早いパス回しに翻弄されたあと、この飛び出しに合わせられると、ゴール前をカバーする前にシュートが飛んでくる。


 そのいい例が、後半16分の同点ゴール。中盤の選手から浮かせたボールが右サイドの6に出て、それを足と頭でワンツー。たった3タッチで最前列にボールを運んで、あとは抜け出した6の個人技。DFを一人交わしてグラウンダーのセンタリング、これを5がキッチリ押し込んだ。
 同じような形の攻めが前半にも何度かあったが、ほとんどが最後のパスに精度を欠いて決められなかった。唯一、惜しかったのは、デンマークの最終ラインが上がりすぎて出来た左サイドのスペースに5が走り込んで1対1になりながら、GKにシュートコースをふさがれた場面だけ。


 事前情報で「ジャジリに気を付けろ」と各マスコミが言っているが、そんなに決定力があるとは思えなかった。左右の揺さぶりもほとんどなく、パスのスピードもヨーロッパサッカーのように速くはない。日本のディフェンスラインが普通に仕事をやってれば、問題ないように思える。それよりも怖いのは、後半に少しだけ見せた左サイドからのクロスボールを使った、高さを活かした攻めだろう。デンマークも、足技よりむしろ空中戦を守る方が苦労しているようだった。


 一方、デンマークの攻撃の起点は2と7のスキンヘッドコンビから。こちらも左サイドはあまり使わず、右サイドを多く使っていた。ボールをキープしたら、いったん8を経由させてから右サイドの19へ。そこからドリブルで中へ切れ込むか、右サイドを駆け上がるか。もしくは、8と19がワンツーを使ってDFを交わすのか、だいたいこの3つの内のどれかを使って攻めていた。左サイドなら19の代わりに11を使う。前半の先制点はこの形。


 逆に、後半は急に右サイドから左サイド使っての攻撃に変えた。相手によってパターンは使い分けてくると思うが、19の右サイドの突破より、8 と11が左サイドで動き回る攻撃の方が安定していた。疲れからかやや動きにキレはなかったけど。この試合は、両監督の意向で何人でも選手交代が可能だったんで、参考になるかどうかは分からないが、デンマークは中盤を入れ替えて後半の左サイドを使った攻撃の方が鋭かった気がする。


 4日後にワールドカップ開幕を控えての、一国の代表同士の対決。出場選手全員がトップレベルのプレイヤーとまではいかないまでも、そこは国の威信を背負っての代表たち。随所に世界レベルのプレイが飛び出し、どちらのチームにも温かい拍手が送られるなどファンの応援のマナーも良く、大満足のサッカー観戦となった。