kaichosanの日記

97~07年まで元Zaurusユーザーだった、フリーランスで流浪してる映像編集マンの雑多な日記です

 長嶋監督勇退・・・背番号「3」が本当の永久欠番に

 あの演説を一体何人の人々が現場で、またテレビを通じて聴いたんだろうか? 予想どおり、日本テレビでは試合終了後のセレモニーまで完全生中継で放送していた。試合には敗れたが、9回の投手交代劇はアンチ巨人、隠れ(?)阪神ファンの私も、不覚ながらやや感動してしまった。


 まず、9回の表アタマから槙原をマウンドへ。しかも、球審にニューボールを長嶋監督自ら要求して、誰よりも先にマウンドへ上がっていった。引退のマウンドへ上がる槙原に直接ボールを手渡すために。これは、前横浜監督の権藤さんが、現在メジャーリーグマリナーズの守護神として活躍している佐々木投手に対してやっていた、一種のパフォーマンスだ。しかし、これを長嶋さんがやるとあそこまで画になってしまうのだから、やはり不思議な人だと思った・・・。


 また劇的なことに槙原がキレイに打者一人を三振に斬って取って、お役ご免。次の斎藤雅へバトンタッチしたのだが、再び長嶋監督がマウンドへ上がり、直接ボールを斎藤に手渡していた。ここで、この交代劇が急な演出だった証拠に、長嶋監督に挨拶していったんベンチへ下がろうとした槙原が、あわててマウンドに戻って斎藤と握手したシーンがあった。チームメイトの誰もが予想もしていなかった様子がうかがえる。


 一人目の三振で「怪しいな」と感じたのは、私だけではないはずだ(笑) おおかたの読みどおり、結局9回のアウトはすべて三振だった。しかも最後のバッターに至っては、はっきりと「ワザとやりました」という三振で、一気に興醒めしてしまった。横浜側が配慮したんだろうが、どうせやるならあそこは全力でやってもらいたかった。ホームランを狙えとまでは言いませんが・・・。まあ、現代の日本のプロ野球をここまで引っ張ってきた長嶋さんの粋な計らいと感動ムードを壊したくない気持ちが分からないではないですがね(^-^;


 それにしても、やはりファンあっての長嶋さんと言うべきか。最後まで心憎い演出をやってくれる。あれは中継している日本テレビ側にも言ってなかったんじゃないだろうか。ゲーム前、長嶋監督勇退と時を同じくして現役を引退する槙原、斎藤雅、村田の3選手の会見があったんで、たぶん引退試合としてどこかで出てくると思ってはいたが、あんな幕引きが待っていたとは正直予想できなかった。
(隣の部屋では、大の“長嶋信者”の父が感無量といった表情で画面に食い入っていて、ちょっと退いてしまったたが・・・(^-^;)


 また、同局の夜のスポーツニュース、江川卓司会の「スポーツうるぐす」では、長嶋監督の勇退挨拶と引退する3選手の引退コメント、さらには原次期監督から長嶋監督を含め4人に送られたメッセージが、完全ノーカットで放送されていました。


 長嶋さんが引退してから生まれた私にとっては、どれだけ偉大な人だったかは分かりません。分かりませんが、生でセレモニーを見たあと、もう一度あの放送を見返していて、「ああ、これで日本プロ野球史のひとつの時代が終わったんだな」と何故かしみじみと感じている自分がいました。仕事で、バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発を編集したことは何度もありますが(笑)、いつかまた今日の長嶋さんの映像を見る日が来ることを心待ちにしたいと思います。