道東一人旅・4日目
◇ 9:00
朝から、知床八景のひとつ「フレペの滝」まで、またもヒグマに注意の遊歩道を歩く。万が一、ヒグマに出会ったときの対処として、「大きな声を出さない・背中を見せて逃げない・目線をそらさない」これだけは覚えておいて下さいと、昨日のネイチャーガイドさんが言ってたっけ。
ウトロ灯台のたもと、切り立った断崖絶壁から幾すじもの滝が流れ落ちていた。でも、そこに川はない。地表に降り注いだ雨水が地下に染み込み流れ出ているそうだ。その水量の少なさから、地元では別名「乙女の涙」と呼ばれている。・・・それにしても、風が強い。長袖Tシャツとデニムシャツを着て、その上にジャケットを羽織っていたのに、時折鼻をすするぐらい寒かった。なのに、しっかり汗もかく。行きは下りでいいけど、帰りは上り。足腰に自信がない人は、ゆっくり歩かれることをオススメします。往復するだけで40分、朝からくたびれました(^-^;
◇10:00
トンネルを抜けた国道わきに、オシンコシンの滝がある。こちらも知床八景のひとつだ。水量は、さっきのフレペの滝と比較にならない。岩肌を伝って注ぎ落ち、そのまま海へ流れ込んでいた。ただ、ツアー観光客を乗せた大型バスがひっきりなしに停まり、団体さんでゴミゴミしている。ほんの一瞬は数人だけの時間はあるが、観光的な有り難みは非常に薄い。さて、これで知床半島に別れを告げて、今回旅の最後の目的地、網走へ向かう。
◇11:40
小腹が空いてきたんで、本物の列車の駅・浜小清水駅に隣接した、道の駅「はなやか小清水」で 昼飯。数日掛けてじっくり煮込んでるらしい「海賊カレーうどん(800円)」を食す。普段、職場の社食でも、おにぎりorいなりにカレーうどんの組合せをよく食べるのだ。
ここのは、太めでコシのある麺の上に、ホタテ・エビ・イカリング・貝などが乗っていた。ダシは濃い味噌ラーメンのように濃厚で、なかなかいける。全部飲み干すと、かなり満腹になった。(*^o^*)
◇12:50
網走に入って、最初に名勝・天都山を訪れる。知床岬からオホーツク海一帯を見渡すことができる。今の時期は春とともに最も清々しい空気なんだろう。銀杏は黄色に、ほかの木々も赤く色付いていた。不思議なことに、山のてっぺんなのに風がほとんどない。知床半島を出ようとした小清水の平原では、車が横に揺られるほど強かったのに・・・。どうせなんで、頂上にあった「オホーツク流氷館」にも520円出して入ることにした。マイナス16度、流氷世界の体験とハイビジョン映像で流氷物語を楽しむことができるところだ。各階に同じ衣装に身を包んだ、お姉さん達(・・・としておこう(^-^;)が控えていて案内してくれる。
流氷体験では濡れタオルを持ち込み、グルグル振り回していると固まってしまうサービスがある。返却用の棚に「しばれタオルはこちら」と書いてあって、突っ込まずにはいられない(笑)
流氷物語は、電通の関連会社製作。約15分ほどだったが、映像については専門家の僕が見ても、素直に「へぇ〜」と思える作り。効果音もうまく付けられていて、いいデキだったと思う。まあ、ナレーションが蟹江啓三の語りだから見れるんだろうな、きっと。
◇14:20
北海道で「刑務所」と言えば網走だ!ってことで「博物館 網走監獄」へ。オホーツク流氷館からは目と鼻の先、入場券は最大割引のクーポンを購入済みで、お堀のような小橋を渡って窓口で引き換える。
中へ入ると真正面に赤い煉瓦造りの門がそびえている。両側には、誰がモチーフなのか、微妙なデザインの服役囚と看守の人形が立っている。順路を行くと人形のデキがどんどん悪くなるんだ、これが(笑) 掘っ建て小屋で雑魚寝していた一団は最も酷かった。
一人旅なのだが、ここはそうもいかない。団体さんがワンサカいて、とにかくうるさい。特に、東京からの修学旅行がきて、どうしようもなくうるさい。とりあえず、静かそうなご老体の後につくことにした。ここでひとつ知恵を。距離を保ちながら着いていくと、一生懸命しゃべっているガイドの声が聞こえてきて、ある種個人ツアーのようだった(^-^;
誰もが、入り口を入ると有無を言わさず女性に激写されるのだが、お約束どおり「記念の写真です!」と出口で待ち構えていた。写真だけならいらないか、と思ったが、同じプリントに網走監獄出獄許可証(入場証明書)がついていた(笑) 1000円は高いと感じたが、もう二度と来ないと思うと、つい買ってしまった。
◇15:45
網走まできて、ようやくP-inが復活!! 久しぶりに「接続中」が出て、ちょっと感動した。
結局、一日目の釧路以外の、阿寒湖〜摩周湖〜川湯温泉〜標津〜羅臼〜宇登呂の方面では一度もPHSがつながることはなかった。もし、道東へ行かれる方がいらっしゃれば、携帯から接続できるようにご当地のアクセスポイントチェックをお忘れなく。
◇16:20
今度は、現在の網走刑務所へ。当然だが、本物は中で人が動いていた(笑) 入り口前での記念撮影までが観光客に許されていて、博物館で見たのと同じ赤い煉瓦造りの門構えが確かにあった。受刑者作の物産品も即売されていた。
そうそう、観光客はこの施設への橋を車で渡ることはできない。どこかに停めないといけないわけが、有料もアホらしく、もちろん路駐(ホントはいけませんよ(^-^;)。こんなんで捕まったら洒落にもならんから、パッと見てサッサと戻った。
◇18:55
北海道最後の夜ぐらい「やっぱりラーメンでしょう?!」という目論みも空しく、宿「網走セントラルホテル」近くにあるお目当てのラーメン屋が閉っていた。残念。仕方なく、札幌ビール園ならぬ、網走ビール館で晩飯にした。
メニューによると、ピルスナー・ヴァイツェン・アルトからなるご当地限定ビールがあるそうだ。要は原料が若干違うだけだが。全部飲んでみたが、たしかにそれぞれ微妙に苦みの度合いや味に違いがある。さらに、一昔前流行った「海洋深層水」を使った発泡酒まであって、ビール好きなら一度飲んでみて損はないんじゃないか。なるべく土地のモノを、と思ったがそういうメニューをおいてなかった。まあ、食べた中では「牛肉のサガリ」がどこの部分なのかが気になったぐらいかな(笑)
◇23:30
戦後最大級という台風が、刻一刻と北海道に近づいている。現在、網走にも各警報が出ているが、そんなに警戒するほど酷い天気じゃない。霧雨程度だった雨粒が、今はしっかりしているぐらいか。
だんだん移動速度が早まってきているようで、この分でいくと、僕が帰る夕方以降の便は飛んでくれそうだ。ただ機体の調整がつかずに欠航ということも十分考えられる。台風の中、170kmを南下しないといけないって心配もあるけど、今はもう、飛行機が飛ぶのか飛ばないのか、明日午後の台風の行方が気になるよ・・・もし、本当に飛ばんかったらどないしょ?(^-^;